「B型肝炎ワクチン」の予防接種

生後2ヶ月から受けられる「B型肝炎ワクチン」の予防接種!詳しく知っておこう 産まれて間もない赤ちゃん感染症にかからないようにと、生後2ヶ月から予防接種を受けるよう自治体から勧められます。生後2ヶ月から受けられる予防接種はいくつかありますが、そのうちのひとつが「B型肝炎ワクチン」です。赤ちゃんがかかる病気というイメージがないかもしれない「B型肝炎」。今回は「B型肝炎」について詳しく解説していきます。 「B型肝炎」とは 「B型肝炎」とは、 『B型肝炎ウイルスに感染することによって引き起こされる肝臓の病気(厚生労働省B型肝炎ワクチンに関するQA 」より)』 です。症状により、急性肝炎慢性肝炎に分けられています。急性肝炎の場合は、症状が劇症化するケースがみられるため、注意を要するとのことです。慢性肝炎には、さらに肝硬変肝臓がんなど生命にかかわる病気になってしまうこともあるようです。 B型肝炎ウイルスに感染した場合、一過性の感染で終わるケースとそのままB型肝炎に感染している状態が継続してしまうケースがあるとのこと。B型肝炎ウイルスに感染している状態が継続している状態のことを「キャリア」といいます。B型肝炎ウイルスキャリアになると慢性肝炎になる恐れがあります。 B型肝炎ウイルスの感染経路は B型肝炎の感染経路は 『B型肝炎ウイルスに感染した血液等に接触した場合に、感染を起こすことがある。(厚生労働省B型肝炎ワクチンに関するQA 」より)』 とのこと。B型肝炎に感染している人が出血した場合、その血液に直接触れないよう、注意が必要になりますね。 また、ママがキャリアの場合、分娩時に赤ちゃんに感染することがあります。 「B型肝炎ワクチン」接種で予防が期待されること 「B型肝炎ワクチン」を40歳までに接種することによる抗体獲得率は95%以上とされています。予防接種を受けたとしても子どもの体質や体調が原因となって免疫ができないケースもあるとのこと。ただ、「B型肝炎ワクチン」を3回接種した時の感染予防効果は20年ほど継続すると考えられています。 「B型肝炎ワクチン」予防接種のスケジュールを把握しておこう 「B型肝炎ワクチン」の推奨される接種開始時期は、 『生後2ヶ月(厚生労働省B型肝炎ワクチンに関するQA 」より)』です。 【標準】生後2ヶ月に接種を開始した場合 初回の予防接種が終わったら、1ヶ月後に2回目の予防接種を受けます。3回目の予防接種は生後7ヶ月から8カ月のときに受けることになります。生後2ヶ月から「B型肝炎ワクチン」の予防接種を開始した場合、3回目の接種が終わるまでは半年ほどの期間を要するということですね。 スケジュール例) 初回:生後2ヶ月 2回目:生後3ヶ月 3回目:生後7ヶ月から8ヶ月 個別に特段の事情がなければ、厚生労働省が推奨する期間のうちに予防接種を開始することが望ましいでしょう。 接種開始が1歳以降となった場合 接種開始が1歳以降となった場合は1回のみ接種することになります。ただし定期接種の対象とはならず、任意接種となります。 「B型肝炎ワクチン」の定期接種の対象外となるケースがある ママがB型肝炎キャリアであったり、家族にB型肝炎キャリアがいたりする赤ちゃんの場合は、定期接種の対象外となります。その理由は、赤ちゃんへのB型肝炎ウイルスの感染を予防するために、出産後12時間以内に感染予防のための処置が行われるためです。 具体的には出産後12時間以内に赤ちゃんに「HBIGB型肝炎免疫グロブリン)」の注射を行い、同時に「B型肝炎ワクチン」の接種を行います。出産後すぐ、といえる段階で予防接種を済ませるので、定期接種の対象外になる、というわけですね。健康保険は適用されます。3回目の「B型肝炎ワクチン」の予防接種は生後6ヶ月に受けることになります。 スケジュール例) 初回:生後5日以内(12時間以内が目安) 2回目:生後1ヶ月(1回目接種後、1ヶ月経過) 3回目:生後6ヶ月(1回目接種後、6ヶ月経過) 「HBIGB型肝炎免疫グロブリン)」を1回、「B型肝炎ワクチン」を3回接種した赤ちゃんは90%以上の確率でB型肝炎ウイルスの感染を予防できるとされています。感染を予防できたかどうかは出産後9カ月から12ヶ月後に血液検査で判定することになります。 「B型肝炎ワクチン」を接種することで起こりうる副反応とは 「B型肝炎ワクチン」を接種したあとに起こりうる体調や身体の変化には、注射をした部分が赤くなったり腫れたりすることや、いつもより眠気を感じやすくなったりするケースがあるようです。また、ごくまれにアレルギーによるショック症状(アナフィラキシーショック)を起こすことがあるとのこと。予防接種を受けた後の体調の変化で気になる点がある場合は、すぐにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。 「B型肝炎ワクチン」と同時接種できる予防接種 標準的な予防接種の期間で、「B型肝炎ワクチン」と同時接種できるワクチンがいくつかあります。 生後2ヶ月 ・ヒブ(Hib)ワクチン・肺炎球菌・ロタウイルス 生後3ヶ月 ・ヒブ(Hib)ワクチン・肺炎球菌・四種混合(DPT-IPV)・ロタウィルス 生後6ヶ月 ・BCG 「B型肝炎ワクチン」のほかにも、生後2ヶ月以降の赤ちゃんは、複数の予防接種を毎月のように受けることになります。赤ちゃんを病気から守るために必要なことですので、かかりつけのお医者さんに相談しながら無理のないスケジュールを立ててくださいね。 参考資料:B肝ワクチンQA / 日本の定期/任意予防接種スケジュール / B型肝炎の母子感染について